今回は吃音治療について言語聴覚士の矢田康人先生に気になる吃音治療について伺っていこうと思います。
また、メンタルリハーサル法という成人吃音でも完治を目指した介入法もあるようです。
でははじめに流暢性形成法ってどんなことをするんですか?
行動療法の理論に基づいた手法で、会話の中で子供の発話に対して両親がルールに伴って反応を返すという、いわば両親が行うセラピーです。
言語聴覚士はモデルを示したり、子どもの状況を確認し両親のセラピーの進行状況をコントロールするなどの役割を担います。
頻回に通院する必要があることや、リッカムプログラムを行なうには研修会を受講することが推奨されていることなどの理由から、どこの医療機関でも受けられるわけではありません。
- 子どもの発話速度より早い発話速度を避ける
- 子どもの言語能力よりも難しい言葉掛けを避ける
- 子どもの年齢や認知力に相応わしい話しかけ方・遊び方をする
- 非現前の事象(昨日の出来事など)についての質問は避ける
- 子どもが情緒的に不安定になるような働きかけを避ける
などがあります。
※いずれもその内容や進め方、適応の有無等は個人で異なり、上記はあくまで一般的な例です。
今日はありがとうございました。
引用[7] Starkweather CW, Gottwald SR. The demands and capacities model II: Clinical applications. J Fluen Disord 1990;15:143–157.
引用[8] Jones M, Onslow M, Packman A, Williams S, Ormond T, Schwarz I, et al. Randomised controlled trial of the Lidcombe programme of early stuttering intervention. Bmj 2005;331:659.
引用[9] Franken M-C, de Sonneville-Koedoot C, Stolk E, Rietveld ACM, Bouwmans-Frijters C. Comparing a Demands and Capacities Model Approach and the Lidcombe Program for Pre-school Stuttering Children: The Restart Randomised trail. Procedia-Soc Behav Sci 2015;193:287–288.
引用[10] Ambrose NG, Cox NJ, Yairi E. The genetic basis of persistence and recovery in stuttering. J Speech Lang Hear Res 1997;40:567–580.
吃音治療は上記の様に個々によりどんな方法で行っていくか決まるようです。
未就学児は完治を目指し就学以降は軽減を目指していく治療が一般的だとわかりました。
また矢田先生を取材をしていく中で『完治できない』という知識が先行してしまい改善治療も受けない人が非常の多いというお話を聞きました。
完治できなくても改善できるなら救われる方も多そうだなと思います。
一度診断を受け自分の発話を見つめなおしどんな方法で改善を目指していくかを知っていくことが大事だと思いました。