インタビュー

吃音当事者インタビュー 冨山

吃音当事者インタビュー

吃音を持ちながら日常生活を行っている当事者さんに職場での体験談や吃音をどのようにカバーしながら仕事をしているかや自身の吃音歴などのお話を伺っていこうと思います。
またお話頂いた内容で吃音改善に関わる内容が出てくる場合もありますが、あくまで個人の考えになりますのでご理解ください。

皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
今日はよろしくお願いします。
冨山
冨山
よろしくお願いします。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
では初めにお名前とご職業を教えてください。
冨山
冨山
冨山です。今は大学生をやってます。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
今は大学生なんですね!大学では主に、どんなことを勉強されてるんですか?
冨山
冨山
大学では社会福祉を勉強していて、僕は児童関係のことをやっています。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
福祉関係なんですね!今は大学何年生ですか?
冨山
冨山
今は大学3年生で次が4年です!
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
はそろそろ就活が始まります?もう就活は始まってますか?
冨山
冨山
もう始まっていてこの間から就活を始めました。。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
やはりもう始まっているんですね!では吃音があって、就活で壁を感じるってことはありますか?
冨山
冨山
就活をやっていて就職先から電話がかかってきた時に、うまいタイミングで電話に出て『もしもし』って言えないのでそこに壁を感じています。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
皆さんやはり電話っで苦労しますもんね。大学で友人などには、自分に吃音があるってことを話していますか?
冨山
冨山
そうですね!僕は基本的に、友達全員に自分が吃音ってことは言っています
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
全員に話せるってすごいですね!
なかなか人によってはそれが難しいってこともあると思うんですけどね。吃音だと伝えた時、友人達の反応はどうでしたか?
冨山
冨山
案外、小学生の頃似たような人が居たよとか言ってくれる人が沢山いて、自分が思ってたより普通に今まで通り接してくれてるので感謝してます。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
では昔から吃音があることを周りの方に伝えることに抵抗はなかったんですか?
冨山
冨山
小学校、中学校、高校時代は言えなかったですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
やはり中々言えない時もあったんですね。それでは吃音だとオープンに話せるようになったきっかけとかあるんですか?
冨山
冨山
変わったきっかけは大学が社会福祉学部でみんな社会福祉専攻で、発達障害の人とかも周りに沢山いて吃音も同じようなものかなと思って、皆さん自分で発達障害だと話していたので自分もこれでいいのかな?と思い言えるようになりました。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
周りの環境って大事ですね。
では就活以外、日常ではどんな場面で吃音があって困りますか?
冨山
冨山
アルバイト先の内線電話を取る時がつらいですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
やはりそこでも電話なんですね!今はどんなアルバイトをされてるんですか?
冨山
冨山
病院の当直のアルバイトをしていて、ご家族の方が来院された時にナースセンターなどに内線電話をかけるのでそれがちょっと苦手ですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
病院でアルバイトって、さすが福祉系の大学生ですね!他にも苦手な場面はありますか?
冨山
冨山
小中高の頃よりもこっちにきてから吃音が明らかに減った実感があって、なにがそうさせているのか分からないんですけど小中高校までは緊張する時に吃音になったんですけど大学にはいってから緊張してない場面で吃音が出るようになりました。
だから家に帰ってきたら吃音がすごく出て家から一歩出たらあまり出なくなるって感じです。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
リラックスした場面で吃音が出やすいんですね!
緊張する場面ではあまり吃らなくなるって人たまに聞くので不思議ですけど、本当に人それぞれ症状の差がありますよね!
でも昔に比べて良くなったってことは本当にいいことですよね!
その分話すことに自信を持てるようになりました?
冨山
冨山
そうですね。よくなってきた…は分からないんですけど人前の時に流暢に話せるようになってるのは自信になってます。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
自信を持てるのが大事ですね!
大学では人前に出て話す機会は多いんですか?
冨山
冨山
そうですね!
サークルの代表とかもやってるので、その時に集団の前で色々話したりすることはありますね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
集団の前で心がけていることがあるそうですが、具体的にいつもどんなことをしてるんですか?
冨山
冨山
集団の前でなにか話す時は、ワードで自分の話す原稿を作って100回音読してちょっとでもどもる所があれば類義語に変えて言い換えを重ね続けた原稿を覚えてみんなの前で話すようにしています。
なにがあっても絶対どもらないように。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
その努力は凄まじいですね。
僕には到底真似できないことをしてると思います。すごいです!
では日常生活で他にも吃音が出やすい場面はありますか?
冨山
冨山
お酒を呑むと緊張しなくなってくるのでどもり始めますね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
やっぱりそこでも緊張しない場面なんですね!
ではこういうインタビューは適度な緊張感があり得意そうですね!ではこのインタビューを受けようと思ったきっかけを教えてください
冨山
冨山
吃音をもっともっと広く多くの人に知ってほしいなって言うのが自分の一番考えていることで、僕ひとりのインタビューで変わる訳ではないですけど、若い人で吃音に困ってる人って結構いっぱいいるのかな?と思っていて少しでも役に立てたらいいなと思っていて。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
すごくいい考えだと思います!僕も一人でもいいので吃音ラボをみていい方向で進んでくれる人がいいなと思ってやってます。もちろん皆さんにとっていいものにしたいですけどそれは難しいですからね。
就活の際は事前に吃音があると伝える予定でいるんですか?
冨山
冨山
カミングアウトは…就活の面接とかの段階ではするつもりないですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
学校ではオープンに話してるそうですが、なぜ就活の際は吃音があることは伝えないんですか?
冨山
冨山
やっぱりどうしても学校内だとカミングアウトは全然できるんですけど、
就活ってなってくるとマイナス要素に見られるのかな?と思ってそれで受からないと言われるとしゃくな話なので、面接の段階ではカミングアウトしないようにしています。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
やっぱり不安はありますよね!
もし書くならですけど、マイナス要素だけでなく吃音があるけどこんなこと頑張ってますとかプラス面も一緒に書いてみるといいかもしれないですよ!吃音があって仕事選びに影響はありますか?
冨山
冨山
ありますね。
できれば電車の車掌さんになりたいと考えた事があって当たり前なんですけど駅の名前って言い換え聞かないじゃないですか?例えば『西千葉駅』って言い換え聞かないので言い換えられない言葉が出てくると考えると、電車の車掌さんは難しいのかな?と考えてます。
ただ社会福祉士を取ろうと思っているので人に携わるなんらかの仕事はしたいなと思っていて、その時に吃音の当事者の人を助けられたらいいなと思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
ぜひ社会福祉士になって吃音に限らず様々な人の力になって欲しいです。
小さい頃は吃音ですごく苦労されたとのことですがどうやって乗り越えてきましたか?
冨山
冨山
小学校と中学校は学校に行かなかったですね。
中学校三年生から高校に行くために行き始めました。
小学生の頃、吃音で虐められたので中学校も小学校ひとつの所から中学校にっていう場所だったので小学校で虐められていると中学校でも虐められるじゃないですか?
だから僕は小学校の時に虐められて中学校は二年間は行ってなかったです。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
大変な小中学校時代だったんですね。
今の明るい冨山さんからは想像つかないです!
では環境が変わったことで、吃音への向き合い方も前向きになれたってことですか?
冨山
冨山
そうですね!高校生の時、高校のみんなが個性的な人が集まっていたのでそれに助けられてその頃から吃音を向き合おうかな?と思いましたね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
やっぱり環境は大事ですね。冨山さんにとっては高校に行ったことが人生の転機だったんですね。
ではいつ頃から吃音の自覚症状はありましたか?。
冨山
冨山
小学校の2年生頃だったと思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
その頃から、吃音って言葉は知ってましたか?
冨山
冨山
吃音って言葉を知ったのは高校生の頃ですね!
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
どんなきっかけで吃音って言葉を知ったんですか?
冨山
冨山
その頃からツイッターが出始めていて『どもる、症状』って調べたらそれって吃音じゃないですか?って出たので、その吃音の可能性を調べるマークシートみたいなのがあって、それが全部埋まってしまってなるほど~って
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
やっぱりなかなか症状があっても、吃音って言葉までは中々たどり着かないものですよね。では周りの方がどんな配慮があれば楽に自分が話せるようになると思いますか?
冨山
冨山
言いやすい音階とか言いにくい音階とかどうしてもあると思うんですよ。はひふへほが僕はすごく言いにくくては行から始まる言葉がすごく苦手で言うのが遅くなっても待ってほしいなと思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
では自分が吃音の症状が出た時は周りに待って聞いてほしいってことですよね?
冨山
冨山
待ってほしいですね!すごく図々しいですけど、僕の言いたいことはそれじゃなくて言いたいことなので待って貰ってでも言いたいことは言いたいです。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
小さい頃の経験などを含めて吃音で嫌な思いをした経験は沢山あると思いますが、逆によかったことなどはありますか?
冨山
冨山
ありますね!沢山あります!
自分がもし吃音じゃなかったら、吃音を知らなかったと思いますしただきょどってる変な人だなと思っちゃってたと思うんですよね。
でも自分が吃音者だったので吃音のことを知りましたし、人って色んな人が居るなってことを知れたって言うのもあって発達障害の人メンタルの人とかに対しても、色々持ってるから辛いんだろうなってわかるようになったのかな?と個人的には思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
そうですよね。
目に見えない障害に対して僕も興味を持つきっかけにもなりましたし、色んな人がいるんだなってそういうことを強く感じるようになりますよね。今日は本当にご協力ありがとうございました
冨山
冨山
ありがとうございました
撮影後記

福祉系の大学に通う冨山さんは大学では人前に立つことが多いとのことで話す前には原稿を作り、何度も音読をして言いやすい言葉に言い換えた原稿を作るという話がとても印象的でした。
大学の友人には吃音があることを話していてもやはり、流暢に話したい気持ちはなくならない訳で日常で色んな試行錯誤をしているんだなと思いました。
小さい頃は吃音で虐められた経験があり今はそこから抜け出し人前に立って明るく周りのリーダー的存在な冨山さん。
色んな経験から人の痛みが分かる方だと思うので社会福祉士としてお仕事できるように就活をこれから頑張って欲しいです。

取材・撮影・編集=皆川