吃音当事者インタビュー K

当事者インタビュー
吃音とうまく付き合いながら日常生活を行っている当事者さんにフォーカスをあてて職場での体験談や吃音をどのようにカバーしながら仕事をしているかや自身の吃音歴などのお話を伺っていこうと思います。またお話頂いた内容で吃音改善に関わる内容が出てくる場合もありますが科学的医学的根拠はないあくまで個人の考えになります。言語聴覚士監修の吃音知識のコーナーで科学的根拠に基づく吃音の知識を得ることができます。

一部、映像と音声に乱れる箇所があります。申し訳ございません。

皆川(吃音ラボ編集部)
今日はよろしくお願いします。
はい!よろしくお願いします。
皆川(吃音ラボ編集部)
では初めに、Kさんは普段はなにをされてる方なんですか?
現在は、大学三年生です!今は、法学部に通ってます!
皆川(吃音ラボ編集部)
法学部ですか!なんだか頭よさそうな感じですね!(笑) いま三年生なら、これから就活が本格的に始まってくると思いますけど、吃音が原因での不安などはありますか?
頭はよくないです。本当に…就活はそうですね。まず、面接で普通の人よりも吃音でハンデがあると思うので、それで行きたい所に行けなかったりするのは不安といえば不安ですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
やはり皆さん面接で悩みますよね!そうなると、仕事選びの幅も狭まったりしますか?
いや、どうだろう。あえてそんなに絞ってなくて、柔軟に考えていて絶対ここに行こうっていうのは明確に絞らないようにしています。
皆川(吃音ラボ編集部)
逆にこういう職種に必ず就きたいって人も居ますけど、反対にKさんのように絞らず柔軟にって考えの人も多いですよね。面接などでは先に企業の方に吃音があることは伝える予定でいますか?
そこを今考えていて、書いた方がいいのか書かない方がいいのかどっちもやってみようかな?と思ってます。
皆川(吃音ラボ編集部)
そうですよね。どちらが正解とかはないと思うので、自分に合った方法を見つけるのがいいと思います。もし吃音だと書くなら、自分の長所もしっかり添えて書いてみてください。今は学生さんなら普段は、アルバイトなどはされてるんですか?
バイトは家庭教師と単発の派遣とかをやってます!
皆川(吃音ラボ編集部)
家庭教師ですか!勉強を教えるのはもちろんだと思いますけど、保護者の方へ電話かけたりなんかもあるのかな?と思うんですけど吃音で困ることはないんですか?
電話、、そうですね。バイト特殊で個人的に家庭教師やってて好きな時間に連絡とってて分からないこと会ったらラインしてねみたいな感じです。
皆川(吃音ラボ編集部)
Kさんは話しやすいのでちょっとプライベートなこともお聞きしてもいいですか?(笑) いまは彼女はいますか?
いや、今はいないです。
皆川(吃音ラボ編集部)
では以前お付き合いされてた方には吃音があることは伝えたりしてましたか?
元カノにうつ病みたいなことをカミングアウトされた時に、吃音もいっておくかと思って最初の頃にいいました。
皆川(吃音ラボ編集部)
話してみてどうでしたか?
言って良かったですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
どういう風によかったんですか?
楽ですよね。先にいってしまえばつっかえ放題じゃないですか?(笑) だからそういう所ですね。それに僕、誰に対しても吃音があることを言ってるのでね。
皆川(吃音ラボ編集部)
そうなんですね!では大学の友人などにも、積極的に吃音をカミングアウトしてるんですか?
ガンガン言って、あと受けがいいんですよね!受けがいいっていうか自分の短所をさらけ出すとすごく好感を持ってもらえるしより仲良くなれるっていうか。あと自分がつっかえた時にやべー今つっかえたって時に先に自分で『今つっかえたわー』っていうと受けるんです。だから気にしないで済むみたいな(笑)
皆川(吃音ラボ編集部)
まだ仕事選ぶは柔軟に考えてるとのことですけど、こんな職種がいいなとか大まかな希望でもいいのでありますか?
職種は一応パソコン使う系ですかね。って考えてますけど、絶対にそれって訳ではないので幅広くみて考えてます。
皆川(吃音ラボ編集部)
では接客が多い仕事とかはやはり避けたいとは思いますか?
そうですね!なるべくならそうですよね(笑)
皆川(吃音ラボ編集部)
今は法学部に通ってるとの事でしたけど、法律に関係ないお仕事に就きたいと考えているんですか?
そうですね、法学部に入って法律を三年間勉強した結果、法律が嫌いになったので別の道にいってやろうと思って。
皆川(吃音ラボ編集部)
柔軟に考えるKさんの考えはそういう所から来てるのかも知れないですね!でも最初は望んで法学部に入ったんですよね?法律系のお仕事したいとか!入った理由とか元々はあったんですか?
理由ですか?受かったからです!
皆川(吃音ラボ編集部)
そうなんですね(笑) でも受けたってことはなにか行きたい理由があって受験したのでは?
いや、正直受験舐めてまして、受かればどこでもいいやって事で文系の行けそうな所片っ端から受けていって受かった所に行こうって感じでした(笑)
皆川(吃音ラボ編集部)
でも高校生のうちに将来の明確なビジョンを見据えて大学に行ける人の方が珍しいし、そういう選択で学校選びをする人は多そうですよね!では吃音者に対して周りに方にどんな配慮をして貰えたら嬉しいと思いますか?
配慮…うーん、そうですね。察して欲しいとかはありますね。言いたいことを。なるべくこっちとしても簡単に伝えられるように工夫してるので余計な事は言わないで。だから察して欲しいなと思いますね。
皆川(吃音ラボ編集部)
それは言葉を汲み取ってほしいってことですよね?では学校の友達にはどんな風に接して欲しいとかはありますか?
学校の友達は、普通にみんなと同じように接して欲しいですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
ではどもっても、普通に接して欲しいってことですよね?
そうですね!たまに指摘されてバカにもして欲しいですし、楽しくやっていきたいです(笑)
皆川(吃音ラボ編集部)
それは先ほど言っていた、短所をさらけ出してもっと仲良くなるって部分に通ずることがありますね!Kさんはいつ頃から吃音の自覚症状があったんですか?
小学校に入学した時からことばの教室に通わされて、先生とか両親に言われたのかな?それではっきりとは覚えてないですけど、なんかそういうのなんだって思いましたね。
皆川(吃音ラボ編集部)
では苦手な言葉とかはありますか?
あいさつとか母音は全部アウトですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
例えばどんな言葉ですか?
例えば、母音っていうかア行から始まる言葉とか、インスタグラムとか(笑)
皆川(吃音ラボ編集部)
ありがとうとかおはようとかじゃなくてインスタグラムを選ぶ辺りがいいですね!(笑) 話を聞いていてKさんすごく吃音に対しては前向きなタイプだと思うんですけど、もし吃音が治ったとしたらこんな事したいななど希望はありますか?
吃音だから妥協してるってことはあまりないので、治っても一緒だと思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
僕も同じですね。もちろん吃音で苦労してることは多々ありますし、僕の場合は吃音で妥協してる部分も結構あるんですけど、治っても自分は変わらないんだろうなって思いますし。では少し難しい質問ですけど、吃音者として社会にどんな配慮をして欲しいと思いますか?
希望としては、もっと障害者扱いして欲しいです!僕はですけど!吃音の人ってすごく言葉悪いかもしれないんですけど、差別みたいな話になっちゃうかも知れないんですけど、障害を持ってる人は障害者の扱いを受けるじゃないですか?そういう施設にいってみたいな。
僕のいとこでもそういう人がいて、障害者の集まる所で頑張って就職したりサポートがあったりって所で頑張ってるんですよね。
吃音ってそういうのないですよね?本当に普通の人の集団で勝負しないといけないのがすごくハンデだと感じていて、そういう意味ではもっと障害者扱いをして貰って楽したいって思いはありますよ。
皆川(吃音ラボ編集部)
差別みたいになるって言ってましたけど、言いたい事はよく分かりますよ。同じように考える人が多いと思います。
吃音を隠して苦労して就職して職場でも吃音を隠して辛い思いをしながら仕事してる人は沢山いると思うんですよね。
そういう意味で、社会的に吃音者を守ってくれる仕組みが欲しいってことですよね?Kさんは小さい頃、吃音でイジメを受けたことはありますか?
はい、ありますね。いじめって言うかからかって来るなと思って。部活の先輩とか。集団生活なので、そういう人がいるのは仕方ないんですけどね。
皆川(吃音ラボ編集部)
そうだったんですね!ではイジメを受けていた時期から考えて、前向きになれたきっかけみたいなものはありますか?自分の中でこういう事を変えたとか!
自分は特に変わってないですね(笑) でも、その集団から逃げるというかそういうことはしてましたね!
皆川(吃音ラボ編集部)
では最後に同じ吃音者の方にメッセージをお願いします。
吃音でも全然気にしないというか、自分が思ってるほど周りは気にしてないので。僕はオープンに友達に言ってるんですけどたまにつっかえる位で伝わることは伝わってるし、そんな自分が思うほど周りは気にしてなかったりするのでそんな思いつめないでいいのかな?と。
逆にバカにしてくるような人は、そういう人だって割り切ってそうすれば自然と吃音に理解ある人だけが集まって楽しくやっていけると思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
そうですよね。バカにしてくるような人とは付き合わないのが一番いいと思います。インタビューにご協力ありがとうございました。
ありがとうございました。
撮影後記
Kさんは吃音という自分の弱みを見せることによって、より親密になれる関係もあると考えていて自分の身の回りに味方を作るスキルがある方だなと思いました。もちろん否定的な考えの方もいるでしょうし、それが出来ない人も沢山いると思います。でも吃音との付き合い方として話を聞いていて非常に面白いと思いました。自分なりの吃音との付き合い方を見つけていくのが、吃音者のQOLの向上に繋がる一面もあると思いました。

取材・撮影・編集=Yuki Minagawa