インタビュー

吃音当事者インタビュー 灰根

吃音当事者インタビュー

吃音を持ちながら日常生活を行っている当事者さんに職場での体験談や吃音をどのようにカバーしながら仕事をしているかや自身の吃音歴などのお話を伺っていこうと思います。
またお話頂いた内容で吃音改善に関わる内容が出てくる場合もありますが、あくまで個人の考えになりますのでご理解ください。

皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
今日はよろしくお願いします。
灰根
灰根
はい!よろしくお願いします!
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
では初めに、お名前とご職業を教えてください。
灰根
灰根
私の名前は灰根(仮名)と申します。職業は、今はフリーターです。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
今はどんなアルバイトをされてるんですか?
灰根
灰根
今は、イベントスタッフのアルバイトをしています。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
以前は、どんなお仕事をされていたんですか?
灰根
灰根
以前は普通のサラリーマンをやっていて職種は経理の仕事をやっておりました。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
社名を聞いて有名な会社でびっくりしました。有名な会社ですよね!
経理のお仕事は人と話す機会は多いんですか?
灰根
灰根
他のサラリーマン以外はアルバイト位しかやったことないので他の職種と比べて多いかは分からないんですけど、同じ会社内の人コミュニケーションをとることは比較的多かったで
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
そうなんですね!確かにまだ若いしいろんな会社での経験ってないですよね!
どんな場面で社内の方とコミュニケーションを取ることが多かったですか?
灰根
灰根
職種的にパソコンに向かって行うような職なので、自分の机の周りの人は仕事内容によっては会社内で移動して他の場所で喋るってこともありました。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
吃音の方は電話が苦手な方が多いと思うんですけど、灰根さんの以前の職場では電話をとったりする機会はありましたか?
灰根
灰根
ありましたね。机にいて1日2~3回は少なくとも電話がかかってきて、嫌だな思ってはいました。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
やっぱり電話は苦手ですよね!
職場で吃音をカミングアウトはしてましたか?
灰根
灰根
入った時はしていなくて、仕事して1年位経ってから上の人に吃音があることをカミングアウトしました。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
そうだったんですね!
言い出すのも勇気がいりますもんね!
仕事を始めて少し経ってから話してみるって人多いんですよ。その時は、上司の方の反応ってどうでしたか?
灰根
灰根
上司の方の反応は、あぁそういう症状があるんだって受け入れてもらって僕の症状をみてたまに喋るのがつっかえるなと思ってたみたいなんですけどそういう症状を持ってるって所までは意識してみていなかったみたいで。
でもそれによって仕事内容が変更になったりとかはなくてもし喋って症状があっても吃音のせいなんだなってことで納得してもらえたって事ですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
でも受け入れてもらえると安心感はありますよね!
上司の方以外には一切吃音だということは知らせてなかったんですか?
灰根
灰根
はい。そうですね!
上の人にしか言ってないのでほどんどの人には知られていない感じでしたね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
なぜ他の人には話さなかったんですか?
やはり、話しにくいなという思いがありました?
灰根
灰根
言わない理由は…仕事以外のところでも僕は自分の症状について友達を含め誰にも言ったことなくて、それは症状を話して特別な配慮をしてほしいなど思わなかったので、言ったとしても症状改善するわけでもないと思ったので受け取る側のことを考えた時にいい気持ちしないかな?と思って話してなかったです。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
でも職場でひとりでも吃音を知っている人がいると、楽になりません?
打ち明けてみて仕事への変化とかありましたか?
灰根
灰根
少しは気持ちが楽になりましたね!
やっぱり今までは特別なにか嫌なことを言われたことなかったですけど、仕事で報告をするという仕事があったんですけど喋って報告がうまくできなかった時、今までなら言いたい内容言えなかった事で上の人に一生懸命仕事をやってないんじゃないかみたいな誤解されているかもしれない面もあったんですけど、それを吃音をカミングアウトすることによって上手く報告ができなくても吃音があるからなんだなって変わってくれたのかな?って思って気持ち的に楽にはなりました。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
それは大事ですね!
一生懸命やっていても吃音で誤解されるのは悲しいですよね。
今現在のお仕事はイベントスタッフですよね?具体的にどんなお仕事内容なんですか?
灰根
灰根
まだそんなにやってないんですけどイベントスタッフのアルバイトって色々あって選択するような形式になっていて単純に物を運ぶってことで終わる仕事もあればお客様を案内する仕事もあったりして、案内をする仕事だと話したりコミュニケーションを取ったりすることが多いです。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
イベントに関われるって楽しそうな仕事ですね!
今まで吃音が仕事選びに影響があったことはありますか?本当はこんな事したいとかそういう願望のようなものとか
灰根
灰根
吃音を考えて職は選ばなかったので直接的に影響したって実感はないんですけど、もし吃音がなかったらその時考えなかった選択肢とかももしかしたら浮かんだかなっていうのもありますしそうはいっても就活中に人と話すような営業職とかも志望していたので、仕事選びに大きな影響はなかったですね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
営業職を志望してたこともあるんですね!吃音の影響で就活で苦労した経験はありますか?
灰根
灰根
就活中はめちゃくちゃ大変だった実感がありますね!
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
今やっぱり苦労しますよね!灰根さんの場合は特にどんな事で苦労しましたか?
灰根
灰根
やっぱり面接があるのでそれまでの小学校中学校とかの学校生活はそんなにコミュニケーションがあっても思ってることをちゃんとした形で伝えないといけない場面ってなかったので、多少の困ることはあってもそんなに大きく吃音で人間関係がってことはなかったんですけど就活で面接となると初めて会う人に短い時間の中で自分の持ってるものをアピールしないといけないので、普通の人間関係であれば長い時間をかけてゆっくりアピールできると思うんですけど面接は短い時間でアピールしないといけないので苦労しました
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
確かに面接は短時間で伝えたいことを伝えないといけないですもんね!
そう思うと難しいですよね。
就活は何社くらい受けたんですか?
灰根
灰根
エントリー自体は志望書を記載して送ったのは100社くらい送って実際面接をしたのは30社くらいです。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
30回近く面接を受ける中で、内定を貰った会社の面接はうまくいった実感などはありましたか?
灰根
灰根
うまくいった実感は…どうだったんですかね。面接によって多少はあったと思うんですけど、僕の場合は流暢に話せないので、せめて明るく大きな声ではっきりと言えるところは言おうと思ってアホみたいにバカでかい声で面接を受けていて、それでそこが受かったので喋り以外の所の表情とかでアピールできたのかな?と思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
それすごくいい話ですね!
吃音のある就活生に会ったら灰根さんの体験談を話しておきます(笑)
では、吃音があって回避してしまう場面はありますか?
灰根
灰根
回避してしまう場面は、やっぱり電話を自分からかけるのが苦手で友達に電話するのは平気なんですけど、それでもどもってはいるとは思うんですけどあまり緊張しなくて、仕事の電話などは心臓がバクバクいってそれでも仕方ないだろって自分に言い聞かせて電話します。
でも避けられることならメールとかで済ませたいなって思ってしまいますね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
分かります。その気持ち。メールで済ませたくなりますよね!
学生時代と社会人になってから吃音への考え方は変わりましたか?
灰根
灰根
変わりましたね!
学生時代までは僕みたいな症状がある人が世界中にはいるって所までは知ってたんですけど、初めて症状があるって相談をした先生に意識すると余計に症状がひどくなると言われたので、できるだけ吃音について考えないようにしようと思っていてネットで吃音を調べたり医者にいって症状を改善させようとか思わなかったんですけど、就職に向けて面接を受けたりする中で吃音の症状で苦労することが増えてネットで調べたりするようになって…今となってはしっかり吃音の症状を知って周りの方に知ってもらう方がいいんじゃないかなと思います
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
では吃音がもっと広く認知されてほしいと考えているってことですよね?
灰根
灰根
そうですね!僕の場合は知ってほしいなと思いますね。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
自分に吃音の症状が出た時はどんな風に接してほしいとかありますか?
灰根
灰根
どう接してほしいか…考えることあるんですけど難しくて配慮を本当はあまりされたくないと思うんですけど、そうはいっても難しいなと思う時もあるので自分で言える範囲は自分で言いたい。大勢の前でなにかやらないといけないとかそういうことは配慮してほしいなと思います
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
友人にはなぜ今は吃音だとカミングアウトしてないんですか?
灰根
灰根
初めて会う人にだったら今はもう全然言えるんですけど、昔からの知り合いって関係が深いのでまだ言いずらいなって気持ちがあってそれによって友達関係が崩れるとは思わないんですけど、友達に今言って友達の気持ちを考えるとカミングアウトされて今までなにも考えず付き合ってもらえるのがうれしかったので、それによって特別な配慮を受けたら嫌だなって気持ちが今はあってでもいずれは言おうかな?って考えてます。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
確かに付き合いが長くなるとなかなかタイミングがって事もありますよね!いつ頃から吃音の自覚があったんですか?
灰根
灰根
正確には覚えてないんですけど小学校時代だったと思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
それはどんなきっかけがあって自覚したんですか?
灰根
灰根
きっかけもこれが初めてだったとかは定かではないんですけど、学校での音読で友達に指摘された記憶があるのでそこからだと思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
皆さん、教科書読みで苦労しますもんね。では吃音に対して今はどんな風に向き合っていますか?
灰根
灰根
吃音に対してネットで調べるようになって人によって考えが全然違うんだなって思っていて、今でも治るなら治したいって思いはありますしこうやって広めることによって少しでも吃音のことについて調べる人が増えてそれで吃音が治る可能性が1%でも大きくなるなら広めていく活動だったりしていく意味があるんじゃないかな?思っていて。
絶対に治らないって思うのもよくないと思うし必ず治るって思うのもよくないと思うので、もしかしたら治るかもしれないって可能性をもって今でも治せるなら治したいって思います。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
そうですよね!
吃音と共に前向きに生きながらもやっぱり治るなら治したいですよね!
普段、吃音を隠して生活をしているってことなんですけど、どんな場面で隠して生活してるんですか?
灰根
灰根
隠していること…そうですね、例えば小学校時代とか中学校の時とか、うまく喋れない時とか本当は症状があるの知ってたのに緊張してたとかウソをついて誤魔化したり僕はどっちかというと難発が多いので大勢の友達でしゃべっていて本当はこのタイミングで言いたいのに言えないので言えるかな?言えるかな?と思って言えるってタイミングになって初めて言う。
周りの人からしたらあ、あ、あ、とか言ってないので普通のタイミングの発言だと思われてると思うんですけど、そういうので誤魔化してしまってるはありますね。あまり意識してやってるってことはないんですけどね
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
難発だとたしかにタイミングがズレるっていうか周りの感覚と自分の発話のペースって全然違いますよね。
僕自身もそういう事は多々ありますよね。吃音を隠しているというか円滑にコミュニケーション取るためには言い換えをして話したりするのはある程度自分の中では仕方ないなと思ってますし。
今はフリーターをされているとのことなんですけど今後やりたいこととかってあるんですか?
灰根
灰根
今後は僕の場合は、将来的には自分の力でお金を稼げるようになりたいと思っていてサラリーマンで一生ひとつの会社でやっていくのはしたくないなと思って一人でもどうやってお金を稼げるかを勉強していて今だったら自分でブログを作成してアドセンスとかアフィリエイトとかで収入を得られないかな?と思って勉強してブログを作成していてあとはうまく話せない分、発信したい気持ちが強いのでホームページを作ったりとかそういう勉強をしていて、一生するつもりはないんですけど、WEBサイトを作成する仕事を一度始めようかな?と思ってそれはサラリーマンでも良くて数年やってある程度作れるようになったら一人でやっていけるようになりたいなと思ってます。
皆川(吃音ラボ編集部)
皆川(吃音ラボ編集部)
それはすごくいい夢ですね!
色んな働き方もあるし時代に合わせて働き方も変化していくのがいいと思います。頑張ってください!
今日はインタビュー協力ありがとうございました!

灰根さんのブログ

撮影後記

以前は大企業に勤めていた灰根さん。今は夢に向かってWEB関連のことを勉強されているようで熱意のある方でした。
就活の際の面接で心がけていたことが非常に面白くてこれから就活で面接に悩む学生の方は多いと思いますが、同じように流暢に話すこと以外にも自分をアピールする方法って他にも沢山あると思いました。
自分なりの自己表現を見つけて、面接に挑み実際に内定までもらいそういう経験談はすごく価値のある話だと思います。
これからも自分の夢の実現に向けてぜひ頑張って頂きたいです。

取材・撮影・編集=皆川